Osteria Nakamura

 

☆Vol.4 イタリア窓

 2008年がスタートしました。リニューアルオープン以来、おかげさまで、たくさんのお客さまにご来店いただき、オープン前に「新しい店にも、お客さまは来てくださるだろうか…」と胸をよぎっていた不安や心配が夢のよう!シェフとマダムも、毎日うれしい悲鳴をあげながら、一生懸命働いております。お客さまの愛情と信頼にこたえるべく、本年も「ナカムラ流」(※前回コラム参照!)に努めてまいります。よろしくお願い申し上げます。
  さて、今はなき、ナカムラの元のお店を愛してくださっていたお客さまにとって、新しいお店に初めて足を踏み入れるまでは、前の店とどう変わったのか、どんな雰囲気になったのか、期待と心配が入り混じったお気持ちではなかったでしょうか。シェフとマダムがこだわったのは、前の店の雰囲気をそのまま壊さずに再現すること。路面店とビルの2階という大きな立地のちがいがあるだけに、逆に、外観や内装のイメージは変えずに、ふたりにとっても思い出深い、1から作り上げた最初のお店を彷彿とする店作りをしたかったのです。イタリアの古木を思わせる深い色合いの木の壁、床、ランプのようなトップライト、前の店から持ってきたテーブルと椅子、レンガを積み上げた柱、そして何よりも、お客さまのお顔の見えるオープンキッチンとカウンター。
  でも、前の店をご存知のお客さまにとって、何よりも印象深かったのは、通りに面した、木格子の大きな窓ではないでしょうか。通称「イタリア窓」は縦横の木幅を同じにして組んだ窓で、通りがけ、この窓の向こうに見える温かい料理と楽しげな雰囲気に、思わずエントランスの扉を開けてしまったお客さまも多いはず。
  新店での最初の難題は、ビルの2階であるために、法律上、窓がワイヤー入りのはめ殺しになっていたことでした。でもやっぱりイタリア窓にしたいよね、ということで、すべての窓の上から木枠をはめこんで同じ雰囲気を作っています。(内装屋さんにパチパチ!!)
  そんなナカムラですが、実は新店だけのちょっと楽しい仕掛けもあります。ビルの2階、だけれど、「ナカムラ」的イタリアをお客さまに錯覚(!?)していただこうと、窓のないトイレにイタリア窓をつくってみました。…ちょっと酔いのまわったイイ気持ちでトイレに入ります、すると窓の外に見えるは……あれれ??ここはどこ?!…なんて、思っていただけたら大成功!
  …なんてのんきに思っていたら、実は、このトイレのイタリア窓(TEAM@TUKURIKA制作のインテリアフォトライト)を設置した初日、本当に錯覚したお客さまがいらしたのか(そんなハズは…)、窓の仕組みが知りたかったのか、外れるはずのない窓がガックンと元からはずれるという大事件が発生!!アンティークのアイアンでできた窓の取っ手を皆さん引っ張りたかったみたいです(笑) いちおう念のために言っておきますが、ナカムラのトイレの窓は開きません。窓の向こうのベネツィアにも行けません。ゴメンナサイ。

→ Prev Vol.3「ナカムラ流」

→ Next Vol.5「スローフード」

 

Copyright (C) 2008 Osteria Nakmaura. All Rights Reserved.